Active Filmの吊るし巻き法 Vol.2

Vol.1からの続きになりますが、壁の高い所にクリップを取り付けて遮光紙に段取り良くフィルムを巻き易くするものを作ります。

その為には、遮光紙が重要で、遮光紙をリピートして使う為にあまり強烈なダメージを遮光紙に与えたくない訳です。現在のところこのPVCテープを使っています。

DSC_5649

FUJIFILMは軟粘着テープという材質のものを使っております。表面にはバーコードが印刷しております。

特許機械の製造機100という足柄工場にある機械で製造しているようですが、製造している時も確認用に、随所にバーコードがありそれを読んでいるようです。

話は、少し脇道に逸れますが、中判のあおり機能も備えたFUJIFILMのキングともいうべきGX680というカメラもバーコードを読んでいるとばかり思っておりましたら、そうではなく、側面にある赤外線を出す装置がありフィルムに赤外線を当てて反射を受光する装置があり、その反射データで遮光紙の黒とフィルムの乳剤(エマルジョン)の反射率の違いを識別・判断して確認しています。

それにより色々なフォーマットで撮影が出来るスペシャルなカメラなのでしょう。

その後のフィルムのながれは、マガジンの角にも赤外線装置がセットしてありパルスと両方でフィルムをチェックしています。あまり参考にならない知識かも知れません。

話を戻しまして、PVCテープは、壁にセットして手触りで凹凸のセットしておいて、83cmで切断し易くする為に壁に凸状の標を貼付けております。使用後の割り箸を使っても何でも良いです。

折角2個セットで売られていますので、今回は2レーンにしてクリップを30cm位の間隔にセットします。その1/2のところには、フィルムの長さを暗い中でも分かり易くする為に幅広のPVCテープを壁に貼ります。

DSC_5613

おさらい的にフィルムと遮光紙と遮光用マガジンと100円ショップの素材をまとめてみました。

DSC_5645

半透明のこのツールは、一般には販売されておりません。

売られていないものは、作るというのが基本です。PETボトルの平なところをつかって両端をこのような形状にカットして使います。

apsfilmhazushi

遮光紙をこの上記のツールを使って下のスプールの中央のフックから外します。

DSC_5546 のコピー

通常のブローニーフィルムで撮影して、要らなくなった遮光紙とスプールをリピート用に保存して下さい。

FUJIFILMのものは穴をリピートして使う前に補強する為にビニールパッチでこのように両面補強をして下さい。

shakoushimaruana

FUJIFILMの遮光紙の穴の位置にKodakのフィルムの遮光紙を重ねてKodakの遮光紙にも穴をあけておきますと便利に使えます。穴を明けるところは、遮光紙の両端の先端部になります。

その場合スプールは、他メーカーのものでは、FUJIFILMの特許加工がされていませんので、FUJIFILMのスプールを溜め込んでおくと良いです。
FUJIFILMの遮光紙と、Kodakの遮光紙を品質検査をした訳ではありませんが、全ての点において、FUJIFILMの遮光紙の方が勝っています。飽くまでも私自身の感想ですが…。

穴をあける道具は、100円ショップのもありますが、一穴パンチになります。穴の経が大きいものをお選び下さい。

この画像の丸環フックは、家にあれば購入する必要がありませんので、420円のセットに入れませんでした。また、釘でも代用ができます。

DSC_5621

フィルムはこのように120タイプと220タイプがあります。以前は6カット用のフィルムが売られていました。画像の下の方にあるのが、フィルム現像後の遮光紙とスプールです。

FUJIFILMの遮光紙のありがたいのは、長手方向の両端に黒い印刷がされ遮光紙が光の漏れを防ぐ対策がされています。海外メーカーのものでその対策がされていないものがあります。

DSC_5638

素材をまとめ、いよいよ壁にセットします。

DSC_5808

両サイドにこのようにクリップをセットします。理由は宙ぶらりんになりますと生フィルムをセットする時に、セットしずらいので、壁にぴったりでも問題ありません。扱いはその方が楽かもしれません。

横棒がTの字に見えるのは、PVCのテープで黒い出っぱりが生フィルムのカットがし易いように目印をつけて、83cmと126cmのカットがし易いようにしておきます。

画像のこちらは、120タイプのブローニーフィルム用です。220フィルムの場合は、フィルムと遮光紙の止め方が違いますので、別の機会に説明します。

中判フィルムで最近の120・220のマガジンに切り替え装置が付いているものであれば、多ショットフィルムとしてカメラが有効に使えます。低価格で中判カメラがもっと楽しめます。

DSC_5811

これで2レーンのActive Filmの吊るし巻き用の簡単な装置が完成しました。

遮光紙の再利用ですから、リユースの進化系の『アップサイクル』です。ECO系のリスペクトな方々は是非トライしてみて下さい。4点の合計420円から始められる100円ショップ進化系の深い趣味です。

DSC_5812

こんな具合から簡易的な暗室からでも始めることができます。

日々色々とアイディアは浮かんできますので、少しだけ、お話ししますと明室で何か同様の事ができないものかという所に帰結します。

昔から、ダークバックというものがありそれでやれば良いのですが、当然外から中が見えません。

更に進化した事を安く具現化する仕組みは既に考えついています。イラストはこちらのページの下の方にあります。低価格で中が見えるダークバッグは充分特許性があると思います。

内容は、四角い40cm位の立方体をイメージして下さい。上部の一辺の所に暗視スコープをセットする設計にします。
暗視スコープは着脱式にします。二重のマジックテープにして通常のダークバックとして使えるようにします。

scope

暗視スコープをセットする事により、ダークバックの中を見ることができます。

ダークバッグ

フィルムを狭い空間で触る事になりますので、埃の対策もしなければなりません。有効なのは、現像機にブローニーフィルムを流す時に使うコンストマガジンと言う遮光性のある容器をイメージしてください。

その容器に生のフィルムを一時保管するようにする訳です。世界のマーケットでやるなら問題は無いと思います。更に先に進める場合は、どうしても必要なフィルム巾寄せ機が必要になります。

film-habayoseki

コンストマガジン、生フィルム、フィルム巾寄せ機、遮光紙、テープとダークバックが揃いますと、明室でActive Filmを作ることができます。

このページの投稿ページの最初に記しました今後製造が予想される道具の中にあるフィルムスリッター(オルファ式)・マガジン式フィルムスリッターもこのダークバックに入る大きさですから、問題なく使えます。ダークバッグの手作業でできるものですと、こんな感じです。

大島式カッターというのは、83cmのブローニーフィルムを一気にカット出来るカッターですので、暗室でなければ難しい道具です。

何処かのメーカーがこれらを作ってくれると、本当にありがたいのですが…。
声を上げてくれないものでしょうか?

投資先をサーチしているのであれば、マーケットを広げて見れば、これらのアイテムで行けると思います。

Active Film 120タイプの動画です。

Active Film 220タイプの動画です。